🎹 Clé du Sol

Burgmüller Dynamics Data

ブルグミュラーの強弱記号を
全43曲数えてみた

「25の練習曲」で ff が出てくるのは、第25番の1曲だけ。
楽譜の強弱記号を数えると、2つの曲集で求められる力の違いが見えてきます。

01 — 数えてわかったこと

25の練習曲は「弱い音の中の差」、18の練習曲は「幅の広さ」

1/25曲

25の練習曲で ff がある曲

9/18曲

18の練習曲で ff がある曲

5曲

最後まで p より大きくならない曲(25の練習曲)

  • 25の練習曲で ff が出てくるのは、第25番「貴婦人の乗馬」だけです。いちばん大きい指示が f の曲が15曲、mf までの曲が4曲、p までの曲が5曲あります。
  • 18の練習曲では、半分の9曲に ff があります。さらに ppp も3曲(第2・4・5番)に出てきます。25の練習曲には ppp はありません。
  • sf(その音だけを強く)も18の練習曲に集中しています。第17番「マーチ」は35か所、第15番「風の精」は23か所で、25の練習曲ではいちばん多い第15番「バラード」でも10か所です。
  • 今回読み取った範囲では、mp は43曲のどこにも出てきませんでした。p の次は mf か f で、その間の変化は cresc. や松葉(< >)で書かれています。
02 — 25の練習曲 Op.100

25の練習曲:9曲は f まで届かない

「強弱の幅」は、その曲でいちばん弱い指示からいちばん強い指示まで。ff と sf の欄は、本番の演奏順で出てくる回数です。

曲強弱の幅ffsf
第1番 すなおな心pp〜p—1
第2番 アラベスクp〜f—2
第3番 牧歌pp〜mf——
第4番 小さな集会p〜f—6
第5番 無邪気p〜f——
第6番 進歩p〜f——
第7番 清らかな流れpp〜p——
第8番 優美pp〜mf——
第9番 狩りpp〜f——
第10番 やさしい花p〜mf——
第11番 せきれいp〜f—1
第12番 別れp〜f—6
第13番 なぐさめp〜mf——
第14番 スティリエンヌp〜f——
第15番 バラードp〜f—10
第16番 あまいなげきp〜f—1
第17番 おしゃべりp〜f——
第18番 気がかりp〜f——
第19番 アヴェ・マリアpp〜p——
第20番 タランテラp〜f—6
第21番 天使のハーモニーpp〜p—2
第22番 舟歌pp〜f—3
第23番 帰り道pp〜f—2
第24番 つばめpp〜p——
第25番 貴婦人の乗馬p〜ff1—

25の練習曲は、小学1・2年B部門から大人の部門まで、いちばん多くの部門で弾かれる曲集です。それでも、強い音をはっきり出すことより、p と pp の間、p から f へ向かう途中の変化をどう聴かせるかが問われる曲が大半を占めています。第1番「すなおな心」・第7番「清らかな流れ」・第19番「アヴェ・マリア」・第21番「天使のハーモニー」・第24番「つばめ」の5曲は、強弱の文字が最後まで p 以下です。

03 — 18の練習曲 Op.109

18の練習曲:ff・ppp・sf で幅が一気に広がる

曲強弱の幅ffsf
第1番 ないしょ話pp〜f—6
第2番 真珠ppp〜ff13
第3番 羊飼いの家路pp〜f—8
第4番 ジプシーppp〜ff26
第5番 泉ppp〜f—4
第6番 陽気な少女pp〜f—5
第7番 子守歌pp〜f—2
第8番 アジタートp〜ff23
第9番 夜明けの祈りの鐘pp〜ff15
第10番 すばやい動きp〜f—7
第11番 セレナードpp〜f—4
第12番 森の中の目覚めpp〜f—13
第13番 大雷雨pp〜ff211
第14番 ゴンドラの船頭歌pp〜mf—5
第15番 風の精pp〜ff223
第16番 別離p〜ff38
第17番 マーチp〜ff435
第18番 紡ぎ歌pp〜ff27

18の練習曲は、小学5・6年B部門・中学B部門・高校部門・大人の部門で弾かれます。25の練習曲から進んだ生徒さんにとっては、ppp から ff までの広い幅と、曲の途中で何度も出てくる sf が新しい課題になります。いちばん大きい指示が mf にとどまるのは、第14番「ゴンドラの船頭歌」だけです。

04 — 指導のポイント

数字から考える、強弱の指導

  • 25の練習曲は「p の段階」を何種類持てるか:f まで届かない曲が9曲あるため、p・pp と、その間の cresc. ・松葉の変化を、生徒さんがどれだけ弾き分けられるかが仕上がりを左右します。
  • 18の練習曲に進む前に、ff と ppp の「天井と床」を決める:25の練習曲ではほとんど出てこなかった ff・ppp が、18の練習曲では当たり前に出てきます。その曲でいちばん大きい音・小さい音を先に決め、その間に段階をつくる練習が役に立ちます。
  • sf は「その音だけ」:sf の多い曲(「マーチ」「風の精」など)では、sf の後もずっと強いままになりやすいので、次の音で元の強さに戻れているかを確かめます。
  • 録音で確かめる時は、スマートフォンの自動の音量調整に注意:スマートフォンの録音は、小さい音を大きく、大きい音を小さく自動で整えることがあり、強弱の差が実際より小さく聞こえます。録音を聴く時は、そのことを差し引いて聴くか、自動の音量調整を切れるアプリで録ると、より正確に確かめられます。
05 — 数え方

数え方と、この記事の情報について

Clé du Sol が演奏診断のために、東音企画版の楽譜から強弱記号を目で読み取って作った表を集計しました(読み取りは、別に独立して読み取った結果と突き合わせ、食い違いは楽譜で確かめています)。fz・sfz は sf として数え、アクセント記号・dolce などの発想記号は数えていません。小節はブルグミュラーコンクールの2026年度の演奏順(第2番・第11番だけ繰り返しを弾き、D.C.・D.S.は楽譜どおり)で、ff・sf の回数は繰り返しで2回弾く部分を2回と数えています。

版によって、強弱記号の書き方や位置が違うことがあります。お使いの楽譜で確かめてください。演奏のルールについては、ブルグミュラーコンクールの繰り返しのルールの記事にまとめています。

06 — 演奏診断との連携

演奏診断との連携について

Clé du SolのAI演奏診断は、ブルグミュラーの25の練習曲・18の練習曲の全43曲に対応しています。生徒さんの録音・録画をアップロードすると、強弱の推移を模範演奏と比べてグラフで確かめられ、AIが講評と練習アドバイスのたたき台を作ります。詳しい使い方は演奏診断の使い方ガイドをご覧ください。

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