🎹 Clé du Sol

Burgmüller Op.109-1

ブルグミュラー「ないしょ話」の
弾き方と指導のポイント

18の練習曲 Op.109 第1番。曲の性格・構成・強弱の流れと、
レッスンで目指したいこと、生徒への声かけの例をまとめました。

01 — 曲の性格

「ないしょ話」はどんな曲?

外から聞こえないように、小さな声で話しかける場面の曲です。ハ長調。右手は8分音符で和音をくずしながら、その一番上の音で旋律をつないでいきます。旋律だけを少し前に出し、ほかの音はささやき声のまま保つ「1本の手で2つの音量を弾き分ける」ことが、この曲でいちばん身につけたい力です。途中でハ短調に曇り、最後はハ長調に戻って、ごく小さな音で静かに終わります。

曲集18の練習曲 Op.109 第1番
拍子4/4(楽譜の表記は C)
小節数28(繰り返しなしの演奏順)
ブルグミュラーコンクール(2026年度)小5・6年B部門、中学B部門、高校部門、大人の部門
02 — 曲の構成

曲の構成と、コンクールでの弾き方

  • 第1〜8小節(ハ長調) 主題。2小節ずつのまとまりで旋律が上下し、第6小節が前半の山。
  • 第9〜16小節(ハ短調) 中間部。左手が細かい分散和音に変わり、右手は長い音で歌う。同じ形が2回ずつ出てくる(第9〜10小節と第11〜12小節、第13小節と第14小節)。第16小節で一度だけの f に届き、少しゆるめて冒頭へ戻る。
  • 第17〜28小節(ハ長調) a tempo で主題が戻る。第24小節(2番カッコ)の p tranquillo で落ち着き、第28小節の和音で終わる。
  • コンクールでの弾き方(ブルグミュラーコンクールの2026年度の参加要項による) 18の練習曲は、すべて繰り返しなしで弾く。この曲では、第8小節・第24小節にある1番カッコを飛ばして、2番カッコだけを弾く。この楽譜は1番カッコと2番カッコに同じ小節番号が付いているので、楽譜の小節番号がそのまま演奏順の番号になる(全28小節)。

小節番号は、ことわりの無い限り楽譜に印刷された番号です。繰り返しのルールはブルグミュラーコンクール、繰り返しは弾く?弾かない?にまとめています。

03 — 強弱の流れ

強弱・表現の流れ

p dolce で始まり、少しずつ大きくなって第6小節の sf が前半の山になる。第7小節の dimin. で p に戻る。中間部は p を土台に、fz・sf の小さなふくらみを何度か作り、第15小節の cresc. から第16小節の f へ。f は曲全体でこの1か所だけなので、ここを頂点として取っておく。dimin. riten. で静まり、第17小節から a tempo の p dolce。後半は前半と同じ流れで第22小節の sf をもう一度山にし、第24小節(2番カッコ)の p tranquillo、第25小節の dimin.、第27小節の dim. e poco rall. を経て pp で終わる。

04 — 目指したいこと

レッスンで目指したいこと

  1. 旋律(右手の一番上の音)と、くずした和音の音量の差を、曲の最後まで保てる。
  2. 中間部で、同じ形の続く所を、音量に段差をつけて弾き分けられる。
  3. 第16小節の f を曲の頂点として、そこへ向かって段階的に大きくできる。f の前に大きくしすぎない。
  4. 最後の pp まで音を途切れさせず、テンポをゆるめすぎずに終われる。
  5. 最後まで同じ速さで弾ける。速さの目安は Allegro non troppo、♩=128〜140(東音企画版の表示。原典の表示は♩=132)。まずは確実に弾ける速さから。
05 — 声かけの例

場面ごとの、生徒への声かけの例

第1〜8小節 主題(ハ長調)

  • 「右手の上の音だけで、まず歌ってみよう」(旋律だけを弾いてから和音を足し、音量の差を確かめる)
  • 「和音の音は、旋律の半分の声で」

第9〜16小節 中間部(ハ短調)

  • 「同じ形が続くね。音の大きさを、階段みたいに変えてみよう」
  • 「f は1回だけ。どこにあるか探してみよう」

第17〜28小節 主題が戻って、静かに終わる

  • 「最初と同じメロディー。今度はもっとやさしく話しかけてみよう」
  • 「最後の和音は、音が消えるまで手を離さない」
06 — AIで強弱をチェック

「ないしょ話」の強弱を、模範演奏と比べる

Clé du SolのAI演奏診断は、ブルグミュラーの25の練習曲・18の練習曲の全43曲に対応しています。生徒の演奏をスマホで録音してアップロードすると、コンクールの演奏順どおりの模範演奏と音量の動きを比べ、AIのコメントと練習のアドバイスを作ります。曲を選ぶと、繰り返しの扱いが撮影前に表示されるので、本番と同じ順番で録音できます。この記事の内容は、講師向けの指導ガイドとして、診断の画面からも読めます。

「ないしょ話」の演奏を、AIでチェック

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