🎹 Clé du Sol

Burgmüller Op.100-14

ブルグミュラー「スティリエンヌ」の
弾き方と指導のポイント

25の練習曲 Op.100 第14番。曲の性格・構成・強弱の流れと、
レッスンで目指したいこと、生徒への声かけの例をまとめました。

01 — 曲の性格

「スティリエンヌ」はどんな曲?

オーストリアのシュタイヤー地方の、3拍子の踊り(レントラーの一種)をもとにした曲です。ト長調、3/4拍子。Mouvement de valse は「ワルツの速さで」の意味。右手は8分音符3つの弱起から始まる軽い旋律を弾き、左手は1拍目の低い音と、2・3拍目の和音で踊りの拍を刻みます。1拍目と2・3拍目の重さの違いをつけて、3拍子の揺れを出すことがこの曲の課題です。

曲集25の練習曲 Op.100 第14番
拍子3/4
小節数64(繰り返しなし・D.C. 込みの演奏順)
ブルグミュラーコンクール(2026年度)小3・4年B部門、小5・6年A部門、中学A部門、高校部門、大人の部門
02 — 曲の構成

曲の構成と、コンクールでの弾き方

  • 第1〜4小節(前半) 前奏。mf で、短い前打音の付いた付点2分音符(アクセント)と、2・3拍目の4分音符を3回弾き、第4小節で区切る。
  • 第4小節(後半)〜第12小節(前半)(ト長調) 主題。p grazioso で、8分音符3つの弱起から始まる。左手は1拍目の低い音と2・3拍目の短い和音。第8小節の松葉<、第9小節の松葉>。楽譜ではここに繰り返し記号がある。
  • 第12小節(後半)〜第28小節(前半) ホ短調から始まり、第17小節の松葉>と riten.、第18・19小節のアクセント、第20小節の dim. rall. でト長調の属和音に戻る。第21小節の in tempo、p で主題の形が戻り、第23小節の dolce(右手の大きな跳躍)、第27小節の f を経て、第28小節の和音が Fine(曲の終わり)。楽譜ではここにも繰り返し記号がある。
  • 第28小節(後半)〜第36小節 中間部(ハ長調)。f deciso で、右手は付点4分音符とスタッカートの音、左手は和音。第29・31・33小節の松葉>。第36小節は1番カッコと2番カッコに分かれ、2番カッコに D.C. al Fine がある。
  • 第1〜28小節(2回目) D.C. の後、第1小節に戻り、Fine(第28小節)まで弾いて終わる。
  • コンクールでの弾き方(ブルグミュラーコンクールの2026年度の参加要項による) 第2・11番以外はすべて繰り返しなしで弾く。この曲は3か所の繰り返しをせず、第36小節の1番カッコを飛ばして2番カッコへ進む。D.C. は楽譜どおり弾く(要項と公式サイトの注記どおり、第1小節へ戻り、第28小節の Fine で終わる)。楽譜の脚注にも、第1小節と2番カッコにあるセーニョ記号は「第1小節に戻る」と解釈される、とある。演奏順で全64小節。

小節番号は、ことわりの無い限り楽譜に印刷された番号です。繰り返しのルールはブルグミュラーコンクール、繰り返しは弾く?弾かない?にまとめています。

03 — 強弱の流れ

強弱・表現の流れ

(小節番号は楽譜の番号)前奏は mf で、付点2分音符にアクセントを付けて始まる。第4小節の弱起から p grazioso の主題になり、第8小節の松葉<、第9小節の松葉>で小さく揺れる。第12小節からのホ短調の部分は、第16小節の松葉<、第17小節の松葉>と riten.、第20小節の dim. rall. で静まる。第21小節の p(in tempo)で主題の形に戻り、第23小節の dolce を経て、第27小節の f。中間部は第28小節の f deciso で、第29小節からの松葉>で収めながら進み、2番カッコから D.C. へ。2回目の前奏は再び mf、主題は p で、第27小節の f の後、第28小節の Fine で終わる。

04 — 目指したいこと

レッスンで目指したいこと

  1. 左手の1拍目の低い音と、2・3拍目の和音の重さの違いをつけて、3拍子を感じさせられる。
  2. 8分音符3つの弱起を、次の小節の1拍目へ向かって軽く弾ける。
  3. 前奏の前打音を、付点2分音符と一緒に短く、はっきり弾ける。
  4. 中間部の f deciso で、主題の p grazioso との性格の違いを出せる。
  5. 速さの目安は Mouvement de valse、♩=144〜168(東音企画版の表示。原典の表示は♩=176)。riten.・rall. の後の in tempo で元の速さに戻れる。
05 — 声かけの例

場面ごとの、生徒への声かけの例

第1〜12小節 前奏と主題

  • 「左手は『ズン・チャッ・チャッ』。1拍目だけ少し重く」
  • 「8分音符3つは、次の1拍目に向かって『いち、に、さん、はい』」

第12〜28小節 ホ短調から主題へ

  • 「riten. と rall. でゆっくりしたら、in tempo で踊りの速さに戻ろう」
  • 「第23小節の大きな跳躍は、山に向かって声を響かせるように」

第28〜36小節 中間部(ハ長調)

  • 「deciso は、きっぱりと。主題とは違う、はっきりした声で」
  • 「2番カッコから D.C. で、はじめに戻るよ。終わりは Fine の所」
06 — AIで強弱をチェック

「スティリエンヌ」の強弱を、模範演奏と比べる

Clé du SolのAI演奏診断は、ブルグミュラーの25の練習曲・18の練習曲の全43曲に対応しています。生徒の演奏をスマホで録音してアップロードすると、コンクールの演奏順どおりの模範演奏と音量の動きを比べ、AIのコメントと練習のアドバイスを作ります。曲を選ぶと、繰り返しの扱いが撮影前に表示されるので、本番と同じ順番で録音できます。この記事の内容は、講師向けの指導ガイドとして、診断の画面からも読めます。

「スティリエンヌ」の演奏を、AIでチェック

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