01 — 曲の性格
「天使のハーモニー」はどんな曲?
天使たちが、やわらかな和音を重ねて歌っているような曲です。ト長調、4/4拍子。冒頭の armonioso は「調和のとれた響きで」の意味。左手が弾き始めた分散和音を右手が受け取って高い所へ運び、また左手へ戻す、という受け渡しが曲の中心です。受け渡しの所で音が切れたり、音量が変わったりせずに、ひと続きの流れとしてつなげることがこの曲の課題です。
| 曲集 | 25の練習曲 Op.100 第21番 |
| 拍子 | 4/4(楽譜の表記は C) |
| 小節数 | 32(繰り返しなしの演奏順) |
| ブルグミュラーコンクール(2026年度) | 小3・4年B部門、小5・6年A部門、中学A部門、高校部門、大人の部門 |
02 — 曲の構成
曲の構成と、コンクールでの弾き方
- 第1〜8小節(ト長調) 前半。p armonioso で、左手の3連符の分散和音から右手の分散和音へ受け渡す。第3小節の cresc.、第5小節の p。楽譜では第1〜8小節に繰り返し記号がある。
- 第9〜16小節(ホ短調) 中間部。左手から右手への受け渡しを、上下に大きく跳ぶ形で続ける。第9小節の cresc.、第11小節の松葉<・松葉>、第12小節の p。第13〜16小節は右手が8分音符の音型、左手が2分音符の低い音で、長い松葉<から第14小節の sf、松葉>を経て、第16小節でホ短調の属和音に止まる(半終止)。
- 第17〜24小節(ト長調) 前半が p で戻る。第19小節の cresc.、第21小節の p。楽譜では第9〜24小節に繰り返し記号があり、第24小節は1番カッコと2番カッコに分かれる。
- 第24〜32小節 終わりの部分(2番カッコから)。第26小節の cresc. で右手が高い音域へ広がり、第28小節でオクターブ上(8va)に届く。第29小節の dim. e poco riten. で下り、第30小節の più lento(より遅く)、sf と松葉>の和音、第31小節の p と松葉>、第32小節の pp とフェルマータの和音で終わる。第30小節の左手3拍目の音(ミ)は、版によってはフラットが付くが、この楽譜は原典資料に基づいてフラットを付けていない(楽譜の脚注による)。
- コンクールでの弾き方(ブルグミュラーコンクールの2026年度の参加要項による) 第2・11番以外はすべて繰り返しなしで弾く。この曲は第1〜8小節と第9〜24小節の繰り返しをせず、第24小節の1番カッコを飛ばして2番カッコへ進む。この楽譜は1番カッコと2番カッコに同じ小節番号(24)が付いているので、楽譜の小節番号がそのまま演奏順の番号になる(全32小節)。
小節番号は、ことわりの無い限り楽譜に印刷された番号です。繰り返しのルールはブルグミュラーコンクール、繰り返しは弾く?弾かない?にまとめています。
03 — 強弱の流れ
強弱・表現の流れ
p armonioso で始まり、第3小節の cresc. で波を大きくし、第5小節の p で戻る。中間部は第9小節の cresc.、第11小節の松葉<・松葉>、第12小節の p を経て、第13〜16小節の長い松葉<・松葉>の中で第14小節の sf が山になる。第17小節の p で前半の形に戻り、第19小節の cresc.、第21小節の p。終わりの部分は第26小節の cresc. で高い所へ広がり、第29小節の dim. e poco riten.、第30小節の sf と松葉>、第31小節の p と松葉>を経て、第32小節の pp で終わる。
04 — 目指したいこと
レッスンで目指したいこと
- 左手から右手へ、右手から左手へ、分散和音を音が切れずに受け渡せる。
- 受け渡しの所で、音量が急に変わらず、1つの波としてつなげられる。
- 中間部の大きく跳ぶ受け渡しでも、音を外さず、遅れずに弾ける。
- 第30小節の più lento から、第32小節の pp の和音まで、落ち着いて音を収められる。
- 速さの目安は Allegro moderato、♩=112〜126(東音企画版の表示。原典の表示は♩=152)。
05 — 声かけの例
場面ごとの、生徒への声かけの例
第1〜8小節 前半
- 「左手が投げたボールを、右手がそっと受け取るように」
- 「2つの手で、ひとつの大きな虹をかけよう」
第9〜16小節 中間部(ホ短調)
- 「ここは跳ぶ距離が大きいよ。次に弾く鍵盤を、先に目で見ておこう」
- 「sf は、天使の声がいちばん大きくそろう所」
第24〜32小節 終わりの部分
- 「più lento で、ゆっくりと。最後の pp の和音は、遠くの空へ消えていくように」
06 — AIで強弱をチェック
「天使のハーモニー」の強弱を、模範演奏と比べる
Clé du SolのAI演奏診断は、ブルグミュラーの25の練習曲・18の練習曲の全43曲に対応しています。生徒の演奏をスマホで録音してアップロードすると、コンクールの演奏順どおりの模範演奏と音量の動きを比べ、AIのコメントと練習のアドバイスを作ります。曲を選ぶと、繰り返しの扱いが撮影前に表示されるので、本番と同じ順番で録音できます。この記事の内容は、講師向けの指導ガイドとして、診断の画面からも読めます。
「天使のハーモニー」の演奏を、AIでチェック
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